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腎臓を守る秋の生活習慣 ― 食事・運動・塩分制限

秋は「腎臓にやさしい生活」を始める季節

秋は過ごしやすく、食べ物もおいしい季節。

しかしその一方で、血圧の上昇や塩分の摂りすぎ、水分不足など、腎臓にとっては負担のかかる時期でもあります。

夏の疲れが残る体に、朝晩の冷え込みが加わると、血管が収縮し血圧が上がりやすくなります。

さらに、さんま・鮭・きのこ・味噌汁など「秋の味覚」は塩分を多く含みやすく、気づかぬうちに腎臓への負担が増える季節なのです。

腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状が出にくいのが特徴です。
だからこそ、日々の生活習慣を整えることが、最も確実な腎臓の守り方といえます。

本記事では、

  • 秋に腎臓が疲れやすい理由
  • 食事・運動・塩分制限などの具体的な実践法
  • 季節・年齢別の注意点

を、総合内科専門医・腎臓内科専門医の視点からわかりやすく解説します。

「今から始める」ことで、血圧や腎機能の安定につながり、将来的な心臓病や脳卒中の予防にもつながります。

秋は、“無理なく生活を整えやすい季節”。
小さな一歩が、腎臓を長く守る最良の習慣になります。

なぜ秋は腎臓に負担がかかるのか ― 季節の生理変化を理解する

腎臓は、体の水分・塩分・血圧のバランスを保つ重要な臓器です。
その働きは季節の変化に影響されやすく、特に秋から冬にかけての気温低下は腎臓に負担をかける要因となります。

🍂 1. 気温の低下と血圧上昇

秋は朝晩の冷え込みが強くなり、血管が収縮して血圧が上がりやすくなります。
このとき体は熱を逃がさないように交感神経が活発になり、心拍数も上昇。
腎臓は血圧を調節する臓器であるため、血圧変動が腎臓の血管(糸球体)に直接ダメージを与えることがあります。

JSH2024(日本高血圧学会ガイドライン)では、
「寒冷期の血圧上昇に対して、減塩と家庭血圧測定の継続が特に重要」と示されています。

🧂 2. 秋の食生活と塩分の摂りすぎ

秋は「食欲の秋」とも言われるように、旬の味覚が豊富。
焼き魚や味噌汁など塩分の多い料理を食べる機会が増え、漬物などを添えることも多くなります。

塩分の摂りすぎは、体内のナトリウム量を増やし、血圧上昇・むくみ・腎臓への圧負担を引き起こします。
KDIGO2021(国際ガイドライン)では食塩5g/日未満、日本のJSH2024や日本腎臓学会では6g/日未満を推奨しています。

日常生活では「1日6g未満を目安に減塩を心がけましょう」。
秋は「調味料を減らす工夫」や「香りで味を楽しむ調理法」が大切です。

💧 3. 水分摂取量の減少と“隠れ脱水”

涼しくなり、汗をかく機会が減ると喉の渇きを感じにくくなります。
しかし、体内では常に水分が失われており、脱水状態は腎臓の血流低下を招く原因となります。
特に高齢者では、軽い脱水でも腎機能が悪化しやすい傾向にあります。

💡 ポイント

  • 喉が渇く前に、1回100〜150mLの水分をこまめに摂る
  • 寒くても「常温の水」や「麦茶」を少しずつ
  • コーヒーや緑茶は利尿作用があるため摂りすぎに注意

💤 4. 気候変動と自律神経の乱れ

秋は寒暖差が大きく、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
自律神経の乱れは血圧の変動や睡眠の質低下につながり、腎臓の負担を増やします。
規則正しい生活リズムを保ち、「食べすぎ・寝不足・冷えすぎ」を防ぐことが腎臓ケアの基本です。

🌾 5. 秋に現れやすい腎臓のSOSサイン

  • 朝の顔や足のむくみ
  • 尿の泡立ち(たんぱく尿のサイン)
  • 体のだるさや疲れやすさ
  • 血圧の上昇傾向

これらが続く場合は、腎機能が低下している可能性があります。
早めに医療機関で血液・尿検査を受け、数値を確認することが大切です。

秋は腎臓にとって「負担が増える季節」ですが、
逆に言えば、生活を見直すチャンスでもあります。

秋の腎臓を守る食事術 ― 減塩・たんぱく質・旬の食材

腎臓を守るための食事の基本は、減塩・適正なたんぱく摂取・季節の食材を上手に選ぶことです。
秋は「味覚の秋」と言われるほど食べ物が豊富な季節。少しの工夫で、おいしく食べながら腎臓にやさしい食生活を実現できます。

🧂1. 減塩の工夫 ― 「足す味」から「引く味」へ

塩分を控えるというと「味気ない」と感じるかもしれませんが、
味を引いて“香り・旨味・酸味”を足すことで、満足感を保ちながら減塩が可能です。

減塩のコツ:

  • 味噌汁は1日1杯まで。出汁や具材で満足感を高める。
  • 焼き魚や肉には「レモン汁」「ゆず」「ポン酢」で風味づけ。
  • 香味野菜(しょうが・しそ・ねぎ・みょうが)を活用。
  • 外食時は「タレ・ドレッシングを半分に」「汁物は残す」。

💡 塩分6g/日とは?

  • 味噌汁 1杯:約1.3g
  • 梅干し 1個:約2g
  • しょうゆ 大さじ1:約2.6g

これらを意識的に減らすだけで、1日の塩分摂取量を自然に抑えられます。
🔍「腎臓病患者・高血圧患者は食塩6g/日未満」を推奨しています。

🍗2. たんぱく質は“質と量”のバランスを意識する

たんぱく質は体に欠かせない栄養素ですが、摂りすぎは腎臓への負担になります。
一方で制限しすぎると筋力が落ちてしまうため、「適量」を意識することが大切です。

状況推奨摂取量食材の目安
一般成人0.8〜1.2 g/kg/日魚1切れ+豆腐半丁+卵1個程度
CKD軽症〜中等度0.6〜0.8 g/kg/日動物+植物性をバランスよく
高齢者(75歳以上)無理な制限を避け、栄養バランス重視柔らかい魚・卵・豆製品中心

おすすめの組み合わせ:

  • 朝:卵+納豆+減塩味噌汁(豆腐入り)
  • 昼:鶏むね肉のソテー+温野菜+ご飯
  • 夜:鮭のホイル焼き+きのこ炒め+果物少量

🍽️「量より質」— 加工肉・ハム・ソーセージよりも、魚や大豆食品を中心に選びましょう。

🌾3. 秋の味覚と腎臓ケア ― 旬の食材を味方に

秋の食材には、抗酸化作用・血管保護・腎臓負担の軽減に役立つ栄養が多く含まれます。

食材栄養・効果注意点
鮭・サンマ良質なたんぱく質、EPA/DHAで血管を守る塩焼きの場合はレモン・大根おろしで減塩
きのこ類食物繊維・ビタミンDが豊富、腸内環境改善塩バター炒めではなく蒸し焼きで
さつまいも・かぼちゃ抗酸化作用(βカロテン)・便通改善カリウムが多いため腎機能低下者は下茹で
柿・りんご抗酸化・整腸作用食べすぎ注意(糖質)

🍂 ワンポイント:
「旬の食材を薄味で」— 調味料を減らし、素材本来の味を楽しむことが腎臓にやさしい食習慣です。

🧮4. 秋の1日食事モデル例(減塩6g・たんぱく質50g程度)

食事内容ポイント
ご飯+減塩味噌汁(具だくさん・出汁濃いめ)+焼き鮭(レモン添え)+果物(りんご1/4個)味噌は通常の半量、出汁で旨味アップ。鮭は塩鮭ではなく生鮭使用+レモン汁。
鶏むねと野菜の炒め物(味付けは減塩しょうゆ+お酢+しょうが)+小鉢(豆腐・ひじき)+ご飯酢・香味で減塩効果。ひじき煮は出汁で味付けし、醤油を控えめに。
きのこの炊き込みご飯(出汁+薄口しょうゆ少量)+蒸し野菜(ポン酢orレモン)+果物少量醤油を1/2量にし、出汁と具材の香りで満足感を。味噌汁をつけない構成で全体塩分を調整。

🌟 “おいしく腎臓を守る”が秋のテーマです。
味を我慢するより、「工夫して楽しむ」ことが継続の秘訣です。

秋に始める運動と生活リズムの整え方

秋は気候が穏やかで、運動を習慣化する絶好の季節です。
適度な運動は血流を改善し、血圧を安定させ、腎臓の働きを助けます。
また、秋の「寒暖差」や「日照時間の短縮」に伴う自律神経の乱れも、運動によって整いやすくなります。

🏃‍♂️1. 腎臓を守るウォーキングのすすめ

ウォーキングは、腎臓病予防における最も効果的で安全な運動の一つです。
血圧・血糖・脂質のバランスを改善し、動脈硬化を防ぎます。

基本目安:

  • 週3〜5回
  • 1回30分程度(息が弾むくらい)
  • 歩幅を大きく、腕をしっかり振る
  • 日中の暖かい時間帯を選ぶ(朝晩は冷えに注意)

💡JAS2022ガイドラインでは、有酸素運動が血圧・脂質・体重などを改善し、心血管疾患リスクを低減すると明記されています。
また、KDIGO2021ガイドラインでも、定期的な運動が腎機能低下や心血管合併症の抑制に寄与する可能性が示されています。
継続することで、eGFR(腎機能指標)の低下を抑える効果も期待されます。

🧘‍♀️2. 無理なく続ける運動の工夫

  • 通勤・買い物の際に「一駅分歩く」
  • エレベーターではなく「階段利用」
  • テレビを見ながらかかと上げ運動
  • 家事の合間にストレッチ

「特別な運動」よりも、「日常に組み込む」ことが成功の鍵。
継続は筋肉量・血流・代謝を守り、腎臓の健康維持につながります。

😴3. 自律神経と睡眠の質を整える

秋は日照時間が短くなり、睡眠リズムが乱れやすい季節です。
睡眠不足は血圧の変動・ホルモンバランスの乱れを引き起こし、腎臓にも影響します。

生活リズムを整えるポイント:

  • 朝日を浴びて体内時計をリセット
  • 就寝前のスマホ・カフェインを控える
  • 寒い夜は入浴で体を温めてから寝る(湯温は38〜40℃)

🌙 睡眠は「腎臓の修復時間」。
規則正しい睡眠こそ、最高の腎臓ケアの一つです。

💧4. 運動時の水分補給

涼しい秋でも、運動中は汗で水分が失われます。
腎臓への血流を保つためにも、こまめな水分補給が欠かせません。

  • 運動前:コップ1杯(約150mL)
  • 運動中:15〜20分ごとに一口ずつ
  • 運動後:水または麦茶でゆっくり補給

スポーツドリンクは糖分とナトリウムが多いため、腎機能低下のある方は注意。

秋は「始めやすく続けやすい」季節。
食事と運動を無理なく整えることで、血圧・血糖・腎機能のバランスが安定します。

水分・塩分・体重のコントロール ― 秋冬に崩れやすい3要素

秋から冬にかけては、気温や湿度の変化によって体内の水分バランスが乱れやすくなります。
腎臓の働きは「体液(血液と水分)の調整」そのもの。
だからこそ、水分・塩分・体重管理を意識することが、腎臓を守る最も基本的な習慣です。

🚰1. 水分摂取 ― 「喉が渇く前に、こまめに」

秋は夏ほど汗をかかないため、「水分は足りている」と錯覚しやすい季節です。
しかし、体は呼吸や尿・皮膚から常に水分を失っています。
軽い脱水でも腎臓への血流が減少し、ろ過機能の低下を招くことがあります。

目安量(健康成人の場合)

  • 1日:1.2〜1.5L(お茶・汁物・食事を含む)
  • 一度に大量ではなく、「1回100〜150mLずつ」こまめに
  • 寒い日は常温水・白湯がおすすめ

💡 注意
心不全や重度のCKDがある方は、水分制限が必要な場合があります。
医師の指示量を優先してください。

おすすめタイミング

  • 朝起きたとき:体を目覚めさせる1杯
  • 運動・入浴前後:体内水分を補う1杯
  • 就寝前:こまめに少量(夜間頻尿がある方は控えめに)

🧂2. 塩分管理 ― 「見えない塩分」に気をつける

塩分(ナトリウム)は体に必要なミネラルですが、摂りすぎると血圧が上がり、腎臓に負担がかかります。
特に秋から冬にかけては、鍋料理・味噌汁・漬物など温かい塩分の多い食事が増える傾向にあります。

1日の塩分摂取目安

  • 健康な方:男性7.5g未満 女性6.5g未満
  • CKD・高血圧の方:6g未満(KDIGO2021推奨)

見落としがちな“隠れ塩分”

  • インスタント食品・カップ麺
  • パン・チーズ・ハム・惣菜
  • 調味料(ソース・ポン酢・めんつゆ)

減塩の実践ポイント

  • 鍋の「汁」を飲まない
  • 味噌・醤油は「計量」して使用
  • 「だし」「酸味」「香り」で味に変化をつける
  • 市販の減塩しょうゆ・減塩みそを活用

🩺 減塩は「薬に頼らず血圧を下げる」自然な方法。
継続するだけで、心臓・脳・腎臓の負担を大きく減らせます。

⚖️3. 体重・むくみ管理 ― “わずかな変化”を見逃さない

腎臓のろ過機能が低下すると、体内の水分・塩分が排出されにくくなり、むくみ(浮腫)が現れます。
特に秋冬は冷えと運動不足で血流が悪くなり、むくみが目立ちやすくなります。

毎日のセルフチェック

項目目安対応策
体重前日比+1kg以上/1週で+2kg以上水分・塩分摂取を見直す
足のむくみ靴下の跡がくっきり残る足を高くして休む、軽い運動
顔のむくみ朝のまぶたが腫れる前日の塩分過多を疑う

💡 ポイント
「体重」「血圧」「むくみ」は腎臓の健康バロメーター。
毎日記録して、変化に気づくことが早期発見につながります。

🧘‍♀️4. バランスの取れた一日の過ごし方

時間帯習慣腎臓を守るポイント
コップ1杯の水、軽いストレッチ血圧を安定させる
外出・ウォーキング血流促進・ストレス緩和
減塩夕食・温かい入浴むくみ・冷え予防
就寝前白湯を一口、深呼吸脱水予防・自律神経安定

秋冬は「水分不足」「塩分過多」「体重増加」が腎臓を圧迫します。
小さな習慣(1日1杯の水、1gの減塩、10分のウォーキング)が、腎臓を長く守る鍵です。

秋から冬への準備 ― 季節・年齢別アドバイス

秋から冬にかけては、気温・湿度・日照時間が大きく変化します。
年齢や体調によって注意すべきポイントも異なります。
ここでは、年代・生活背景に応じた腎臓ケアの工夫を紹介します。

👵1. 高齢者(65歳以上)の腎臓ケア

高齢になると腎臓の働き(ろ過能力)は自然に低下し、さらに口渇感の鈍化・筋力低下・薬の影響も重なります。

注意ポイント:

  • 水分は少量ずつこまめに(脱水防止)
  • 塩分を控えつつ、たんぱく質・カロリー不足に注意
  • 転倒防止のため、軽いストレッチや日光浴を
  • 夜間頻尿がある場合は、就寝2時間前から水分控えめ

💡 ワンポイント
高齢者は「食べて・動いて・休む」のバランスが最も大切です。
無理な制限より“続けられる工夫”を優先しましょう。

👨‍💼2. 働き盛り世代(40〜60代)の腎臓ケア

仕事や家庭で忙しく、生活が不規則になりがちな世代です。
外食・飲酒・ストレスが腎臓に影響することもあります。

注意ポイント:

  • 外食は、丼ものや麺類を避け、焼き魚や鶏肉などの主菜+サラダ+ご飯(小盛)を組み合わせると、塩分を抑えつつ栄養バランスを保てます。味噌汁・漬物は控えめにし、レモンやポン酢で風味を工夫しましょう。
  • 飲酒は1日1合(ビール中瓶1本)まで、週2日は休肝日
  • 夜更かし・睡眠不足は血圧上昇の原因に
  • 健診で「尿たんぱく+」「eGFR60未満」があれば早めに再検査

🧩 対策のコツ
スマホの歩数計で運動を“見える化”するなど、数字で管理すると継続しやすくなります。

👩‍⚕️3. 生活習慣病を持つ方の秋冬ケア

糖尿病・高血圧・脂質異常症など、腎臓に負担をかける疾患を持つ方は、季節変化により数値が乱れやすくなります。

疾患秋冬のリスク対策
糖尿病食欲増加・運動不足食後ウォーキング・血糖測定を継続
高血圧寒暖差・塩分摂取増減塩・家庭血圧記録・暖房管理
脂質異常症動脈硬化の進行魚(EPA・DHA)を週2回以上摂取

💡 秋冬は「数値が悪化しやすい季節」。
いつもより少し意識を上げることで、春の検査結果が大きく変わります。

🏡4. 季節の変化に応じた暮らしの工夫

  • 朝晩の冷え対策:寝室・脱衣所も暖かく
  • 感染症予防:手洗い・加湿・うがいの習慣を
  • 乾燥対策:肌の保湿も脱水予防につながる
  • 家庭血圧測定:毎朝・毎晩の習慣化を

🌾 「体を冷やさず、乾かさず、ため込まない」
これが秋冬の腎臓ケア三原則です。

季節の変化は体の変化。
年齢・環境に合わせた生活を整えることで、腎臓の働きは長く保たれます。

よくある質問(FAQ)

腎臓を守る生活を始めたいけれど、「どのくらい気をつければいいの?」「何を食べたらいいの?」と迷う方も多いでしょう。ここでは、秋に多い質問を中心に、専門医の視点でやさしく解説します。

Q1. 秋になると血圧が上がるのはなぜ?

気温が下がると血管が収縮し、血圧が上昇しやすくなります。また、秋は味の濃い料理を食べる機会が増えるため、塩分の摂りすぎも原因の一つです。朝晩の冷え対策と減塩を意識し、家庭血圧を記録することが大切です。

Q2. 塩分はどのくらいまで減らせばいいですか?

高血圧や慢性腎臓病(CKD)の方では、1日6g未満の食塩摂取が推奨されています(JSH2024)。味噌汁を1日1杯に抑え、外食時はスープを残すだけでも減塩になります。出汁・酸味・香りを上手に使うと、無理なく継続できます。

Q3. 水分はどのくらい摂るのが良いですか?

健康な方であれば、1日1.2〜1.5Lが目安です。「喉が渇いたとき」ではなく、こまめに少しずつ飲むのがポイント。ただし、心不全や高度の腎機能低下がある場合は、水分制限が必要なこともあるため、主治医の指示に従ってください。

Q4. 腎臓に良い秋の食材は?

鮭・サンマ・きのこ・さつまいも・かぼちゃ・りんごなどは、栄養価が高く腎臓にもやさしい食材です。ただし、腎機能が低下している方はカリウムの摂りすぎに注意。食材を「水にさらす」「下茹でする」ことで安全に楽しめます。

Q5. ウォーキングはどのくらいすればいいですか?

週3〜5回、1回30分を目安に行いましょう。息が弾むくらいのペースで十分です。寒暖差の大きい朝晩は避け、日中の暖かい時間帯を選びましょう。

Q6. むくみが出たときはどうすればいい?

まずは塩分の摂りすぎを見直すことが大切です。足を高くして休んだり、軽いストレッチを行うことで改善することもあります。体重が短期間で増えている場合(1週間で+2kgなど)は、早めに医療機関を受診してください。

Q7. 健診で「尿たんぱく+」が出たら?

一時的な結果の場合もありますが、2回以上続く場合は再検査が必要です。腎臓の初期トラブル(高血圧・糖尿病・薬剤性など)が隠れていることもあります。早期発見・早期対応で進行を防げるケースが多いため、放置せず相談しましょう。

Q8. お酒は控えたほうがいいですか?

完全に禁止ではありませんが、1日1合(ビール中瓶1本)程度を目安にしましょう。週に2日は「休肝日」を設けることをおすすめします。アルコールは血圧上昇・脱水を起こしやすいため、飲みすぎは禁物です。

Q9. コーヒーや緑茶は飲んでも大丈夫?

適量(1〜2杯/日)なら問題ありません。ただし、カフェインには利尿作用があるため、水や麦茶も併用しましょう。寝る前のカフェイン摂取は睡眠の質を下げるため避けましょう。

Q10. 腎臓を守るために“今日からできること”は?

  • 1️⃣ 味噌汁を1日1杯までにする

この3つを継続するだけで、腎臓・血圧・心臓を一緒に守ることができます。

🏥まとめ・受診案内・免責事項

🍁 まとめ ― 秋は「腎臓を整える季節」

秋は血圧が上がりやすく、食欲が増し、運動量が減りがちな季節です。
しかし逆に言えば、生活習慣を整える最適なタイミングでもあります。

  • 塩分6g/日未満を意識する
  • 旬の食材でバランス良く食べる
  • ウォーキングで血流と代謝を整える
  • こまめな水分補給で脱水を防ぐ
  • 家庭血圧を毎日記録する

腎臓は一度悪くなると回復しにくい臓器ですが、
生活習慣の見直しで「進行を遅らせる」「守る」ことは可能です。
小さな積み重ねが、5年・10年先の健康を左右します。


🩺 ご相談・受診案内

尾張旭市・瀬戸市で腎臓や血圧の管理を始めたい方へ

  • 健診で「腎機能低下」「尿たんぱく」を指摘された方
  • 秋〜冬にかけて血圧が高めの方
  • 減塩や食事・運動の具体的な方法を相談したい方

当院では、総合内科専門医・腎臓内科専門医が、生活習慣から薬物療法までトータルでサポートします。
まずはお気軽にご相談ください。


⚖️ 免責事項

本記事は、一般的な健康情報および最新のガイドライン(JSH2024/KDIGO2021/JAS2022/日本人の食事摂取基準2025)をもとに作成したものです。
個々の症状や治療方針は異なりますので、自己判断せず、必ず医師の診察・指導を受けてください。