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高血圧の原因は?放置のリスクと基準値・治療

第1章 放置した高血圧は、将来何を奪うのか

健診で「血圧が少し高めですね」と言われたまま、何年か過ぎていませんか。日本の高血圧の方は約4,300万人と推計されており、成人のかなりの割合を占めます。それでも多くの方が受診に至らないのは、高血圧そのものには症状がほとんどないからです。

しかし血圧が高い状態は、症状のないあいだも血管を確実に傷つけ続けます。高血圧が「サイレントキラー」と呼ばれるのはこのためです。先に結論からお伝えします。

  • 血圧が高いこと自体は、痛くもかゆくもありません。多くの場合、臓器の障害がある程度進むまで自覚症状に乏しいままです
  • 傷むのは血管です。そのため、細い血管が集まる腎臓、強い力で血液を送り出す心臓など全身の臓器に影響が及びます。どこに先に現れるかは人によって異なります
  • 腎臓が傷むとさらに血圧が上がり、血圧が上がるとまた腎臓が傷むという悪循環に入ります。この輪に入る前に断つことが最大の目的です
  • そして、血圧は「下げれば下げるほど安全」ではありません。安全に下げることが同じくらい重要です

本記事は、2025年8月に日本高血圧学会が発刊した『高血圧管理・治療ガイドライン2025』(JSH2025)に沿って構成しています。6年ぶりの改訂で、降圧目標や薬の選び方に大きな変更が入りました。

ご自身の関心に合わせて、次のように読み進めていただけます。

  • なぜ自分の血圧が高いのか知りたい方 → 第2章
  • 自分の数値がどのくらい悪いのか知りたい方 → 第3章
  • このまま放置するとどうなるか知りたい方 → 第4章
  • いま何を避けるべきか知りたい方 → 第5章
  • 治療の進め方を知りたい方 → 第6章・第7章

第2章 なぜ血圧が上がるのか - 6つの原因を仕組みから理解する

「塩分の摂りすぎ」「肥満」「ストレス」——高血圧の原因としてよく挙がる言葉です。しかし、なぜそれで血圧が上がるのかまで説明されることは多くありません。ここを理解すると、自分に何が効くのかが見えてきます。

🔹1. そもそも血圧は何で決まるのか

血圧とは、血液が血管の内側を押す力のことです。この力は、大きく分けて「心臓から送り出される血液の量」と「血管の通りにくさ」によって決まります。

血圧を決める大きな2つの要素 心拍出量 心臓が送り出す血液の量 × 末梢血管抵抗 血管の通りにくさ 血 圧 高血圧の原因の多くは、このどちらか(または両方)を増やす方向に働きます ※ 上の血圧(収縮期血圧)には、大動脈の硬さや1回の拍出量なども関係します

血圧を上げる原因の多くは、「血液の量が増える」か「血管が通りにくくなる」かのどちらか(または両方)に働きます。加えて、上の血圧(収縮期血圧)には大動脈の硬さも大きく関わります。以下の6つの原因を、この視点で見てみてください。

🔹2. 本態性高血圧の6つの原因

高血圧の約9割は、単一の原因を特定できない本態性高血圧です。「原因不明」と説明されることもありますが、正確には「複数の要因が重なっている」という意味です。主な要因は次の6つです。

(1)食塩感受性 - 塩分で血圧が上がりやすい体質

塩分(ナトリウム)を摂ると、体は濃度を一定に保とうとして水分を抱え込みます。その結果、血液量が増えて血圧が上がります。

ただし、上がり方には個人差があります。同じ量の塩分でも血圧が大きく上がる方を食塩感受性高血圧と呼び、日本人ではこのタイプが比較的多いとされます。特に、加齢に伴って、また腎機能が低下している方では食塩感受性が高まる傾向があります。減塩がよく効く方と、あまり効かない方がいるのはこのためです。

(2)レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)の活性化

腎臓は、自分に届く血液が減ったと感じるとレニンというホルモンを出します。これをきっかけにアンジオテンシンⅡが作られ、血管を強く収縮させます。さらにアルドステロンが分泌され、腎臓でナトリウムと水を体に戻します。

つまりRAA系は、血管抵抗と血液量の両方を上げる仕組みです。本来は出血などで血圧が下がったときに命を守る反応ですが、腎臓の血流が慢性的に悪い状態では、これが不必要に働き続けてしまいます。

高血圧の薬としてARBやACE阻害薬がよく使われるのは、この経路を狙って遮断するためです。腎臓を保護する作用が期待できるのも同じ理由によります。

(3)交感神経の緊張

ストレス、睡眠不足、痛み、喫煙などは交感神経を刺激し、心拍数と血管の緊張を高めます。一時的な上昇であれば問題ありませんが、慢性的に続くと血圧のベースラインそのものが押し上げられます。

睡眠時無呼吸症候群で血圧が上がるのも、夜間に繰り返し酸素が下がって交感神経が働き続けるためです。「よくいびきをかく」「日中に強い眠気がある」方は、この経路を疑う価値があります。

(4)加齢による動脈の硬化 - 高齢の方に「上だけ高い」が多い理由

若い血管はゴムホースのようにしなやかで、心臓が血液を押し出した瞬間の圧を吸収してくれます。加齢とともに大動脈の弾力が失われると、この吸収ができなくなり、押し出した圧がそのまま血圧計に現れます。

その結果、上(収縮期血圧)だけが高く、下(拡張期血圧)はむしろ低めという形になります。これを収縮期高血圧といい、高齢の方に多い典型的なパターンです。「歳のせいだから仕方ない」と言われることがありますが、このタイプこそ脳卒中や心不全との関連が強く、対応が必要です。

(5)肥満・内臓脂肪とインスリン抵抗性

内臓脂肪が増えると、インスリンが効きにくくなり(インスリン抵抗性)、それを補うために血中のインスリンが増えます。インスリンには腎臓でナトリウムを再吸収させる働きがあるため、体内に塩分と水が溜まりやすくなります。さらに脂肪組織から出る物質がRAA系や交感神経も刺激します。

肥満を伴う高血圧が、糖尿病や脂質異常症と一緒に現れやすいのはこのためです。体重を3〜5%減らすだけでも血圧の改善が期待できるとされています。

(6)遺伝的素因

ご家族に高血圧の方が多い場合、食塩感受性やRAA系の働き方に共通した傾向があることが知られています。ただし遺伝だけで決まるわけではなく、同じ素因を持っていても生活習慣によって発症時期や重症度は大きく変わります。家族歴がある方は「なりやすい」のであって「治せない」わけではありません。

🔹3. 年代によって、多い原因は違います

年代多い原因特徴的な血圧の形
20〜40代肥満・内臓脂肪、飲酒、睡眠不足、交感神経の緊張。二次性高血圧の割合も相対的に高い上下ともに高い。拡張期血圧が高いことも多い
50〜60代食塩感受性、肥満、飲酒に加え、動脈硬化の進行が加わる上が上がり始め、下は横ばい〜低下
70代以降大動脈の硬化が主体。腎機能低下による食塩感受性の亢進も加わる上だけ高い(収縮期高血圧)。血圧の変動も大きい

若い方で明らかな高血圧がある場合は、後述する二次性高血圧の可能性を積極的に検討します。一方、高齢の方では「上だけ高い」形が主体になるため、下げ方に注意が必要です(第6章)。

🔹4. 見逃してはいけない「二次性高血圧」

高血圧の約1割は、原因となる病気や薬がはっきりしている二次性高血圧です。これらは原因を治療すれば血圧が改善したり、薬を減らせたりする可能性があるという点で、本態性高血圧と決定的に違います。

原因特徴
原発性アルドステロン症(PA)副腎からアルドステロンが過剰に分泌される。高血圧の約5〜10%を占めるとされ、決してまれではない。本態性高血圧に比べ心臓・腎臓・血管の合併症リスクが高い一方、適切な治療で血圧の改善が見込める
腎実質性高血圧慢性腎臓病(CKD)そのものが原因となるタイプ。腎臓が悪いから血圧が上がる
腎血管性高血圧腎臓へ向かう動脈が狭くなり、腎臓が「血液が足りない」と誤認してRAA系を働かせる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)夜間の低酸素で交感神経が緊張。早朝高血圧や夜間高血圧の形をとりやすい
薬剤性非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド、甘草を含む漢方薬、一部の経口避妊薬など
内分泌疾患甲状腺機能異常、褐色細胞腫、クッシング症候群など

二次性高血圧を疑うサイン

  • 若い年代(おおむね30〜40代以下)で発症した高血圧
  • 利尿薬を含む3種類の降圧薬を適切に使っても目標に届かない(治療抵抗性高血圧)
  • これまで安定していた血圧が、急に悪化した
  • 血液検査でカリウムが低い、または利尿薬で下がりやすい
  • 強いいびき・日中の眠気を伴う
  • 尿検査で蛋白尿が出ている、腎機能が低下している

これらに当てはまる場合、「体質だから」で済ませずに一度調べる価値があります。当院は腎臓を専門としており、腎臓が原因の高血圧と、高血圧が原因の腎障害を切り分けることを重視しています。詳しくは高血圧と慢性腎臓病(CKD)の関係もあわせてご覧ください。

🔹5. 高血圧の原因を考える5つのヒント

次の質問に順に答えると、優先して調べるべき方向が見えてきます。あくまで方向づけであり、これだけで原因が決まるわけではありません。

  1. 尿に蛋白が出ていますか/腎機能(eGFR)が下がっていますか
    → はい:腎臓と血圧の相互作用を優先して評価します
  2. いびきや日中の眠気がありますか
    → はい:睡眠時無呼吸症候群の検査を検討します
  3. カリウムが低いと言われたことがありますか/薬が効きにくいですか
    → はい:原発性アルドステロン症のスクリーニングを検討します
  4. BMIが25以上、または腹囲が大きいですか
    → はい:肥満やインスリン抵抗性が血圧上昇に関与している可能性があります。糖尿病・脂質異常症の評価も同時に行います
  5. 上だけが高く、下は低めですか(70代以降に多い)
    → はい:大動脈の硬さなどが関与している可能性があります。下げ方の安全性に配慮した調整が必要です

第3章 高血圧の基準と、いまの自分の位置

🔹1. 血圧の分類(JSH2025)

JSH2025では降圧目標に大きな変更が入りましたが、高血圧の診断基準そのものは据え置きです。診察室で140/90 mmHg以上(家庭血圧では135/85 mmHg以上)が高血圧の基準となります。

区分収縮期血圧(上)拡張期血圧(下)
正常血圧120未満かつ80未満
正常高値血圧120〜129かつ80未満
高値血圧130〜139かつ/または80〜89
Ⅰ度高血圧140〜159かつ/または90〜99
Ⅱ度高血圧160〜179かつ/または100〜109
Ⅲ度高血圧180以上かつ/または110以上
(孤立性)収縮期高血圧140以上かつ90未満

単位はいずれもmmHg、診察室血圧での基準です。

🔹2. 「140未満だから安心」ではありません

JSH2025で押さえるべき考え方の変化がここです。130〜139/80〜89 mmHgの高値血圧の段階でも、心血管疾患の発症や死亡のリスクが高いことが国内外の研究で示されています。このため、120/80 mmHg以上のすべての方が血圧管理の対象と位置づけられました。

つまり「140を超えていないから様子見でいい」という判断は、現在の考え方には合いません。130台の段階で生活習慣に手を入れられるかどうかが、将来の脳・心臓・腎臓のリスクの差につながります。

🔹3. 診察室血圧より、家庭血圧を優先します

測定場所高血圧の基準特徴
診察室血圧140/90 mmHg以上医療機関で測定。緊張により高く出やすい
家庭血圧135/85 mmHg以上日常の血圧をより正確に反映する。診断・治療方針の判断はこちらを優先

診察室では緊張で高く出る白衣高血圧、逆に診察室では正常でも家庭では高い仮面高血圧があります。特に仮面高血圧は、医療機関では見つからないまま臓器障害が進むため注意が必要です。

家庭血圧の測り方の要点は次のとおりです。

  • 血圧計は上腕式を使用(手首式は誤差が出やすい)
  • 朝:起床後1時間以内、排尿後、朝食前・服薬前に測定
  • 夜:就寝前に測定(入浴直後・飲酒後は避ける)
  • 背もたれのある椅子に座り、足を組まず、1〜2分安静にしてから測る
  • 1回の数値に一喜一憂せず、一定期間の平均で評価する

できれば週5日以上記録して、受診時にそのまま医師に見せてください。1回だけの測定で治療方針が決まることはありません。

第4章 放置するとどうなるか - 臓器障害の進み方と、臓器ごとの影響

🔹1. どのような段階を経て進むのか

「このまま放置するとどうなるのか」は、最も多くいただく質問です。進み方には大きな個人差があり、血圧の高さ、糖尿病や脂質異常症の合併、喫煙、蛋白尿の有無、すでにある動脈硬化の程度などによって、速さも現れる順序も変わります。そのため「何年で危ない」と一律に申し上げることはできません。そのうえで、たどる段階には共通したかたちがあります。

高血圧による臓器障害の進み方(段階) 第1段階 第2段階 第3段階 血管に負担がかかる時期 自覚症状に乏しい 血管の内側が傷み始める 検査でも異常が出にくい 検査に変化が現れる時期 蛋白尿・微量アルブミン尿 eGFRの低下・左室肥大 眼底の血管変化 病気として発症する時期 心不全・狭心症・心筋梗塞 脳梗塞・脳出血 CKDの進行・透析 ※ 典型的なイメージです。すべての方がこの順に進むわけではありません。 進み方には大きな個人差があり、血圧の高さ、糖尿病・脂質異常症・喫煙の有無、蛋白尿や すでにある動脈硬化の程度などによって、速さも現れる順序も変わります。

重要なのは、第1段階と第2段階では自覚症状に乏しいことが多いという点です。体はほとんど何も訴えませんが、第2段階では検査に変化が現れ始めます。早い段階で介入するほど進行を抑えられ、一部の変化は改善できる可能性があります。一方、第3段階まで進むと元に戻すことは難しくなります。健診で指摘された時点で動く価値は、ここにあります。

🔹2. 腎臓 - 高血圧の影響を受けやすく、変化が気づかれにくい臓器

腎臓は、片方につき約100万個(両方で約200万個)の糸球体という毛細血管の塊でできています。全身の中でも特に細い血管が密集した臓器であるため、高い圧の影響を受けやすい臓器です。

高い圧がかかり続けると、糸球体の血管が硬く狭くなり、次のような変化が現れます。

  • 尿に蛋白が漏れ出る(初期は微量アルブミン尿)
  • 老廃物を排出する力が落ち、血液中のクレアチニンが上昇し、eGFRが低下する
  • ナトリウムを排出する力も落ち、さらに血圧が上がりやすくなる

この最後の項目が、高血圧が特に厄介である理由です。腎臓が傷むと血圧が上がり、血圧が上がるとさらに腎臓が傷むという悪循環に入ります。高血圧を原因として腎臓が硬くなっていくタイプを腎硬化症と呼び、日本で透析導入となる原因の上位を占めています。

腎硬化症は自覚症状がほとんどないまま進行します。健診の尿検査と血液検査で拾うしかありません。詳しくは腎硬化症とは腎臓病のステージと進行をご覧ください。

🔹3. 心臓 - ポンプが厚くなり、やがて硬くなる

血管の抵抗が高い状態では、心臓はより強い力で血液を押し出す必要があります。筋力トレーニングで筋肉が太くなるのと同じように、心臓の筋肉(特に左心室)も厚くなります。これが左室肥大です。

厚くなった心臓は力が強くなる一方、硬くなって広がりにくくなります。その結果、次のような問題が起こります。

  • 心臓が十分に血液をため込めず、息切れやむくみが出る(心不全)
  • 厚くなった筋肉に対して血流が足りなくなり、狭心症・心筋梗塞のリスクが上がる
  • 心房細動などの不整脈が起こりやすくなる

近年注目されているのがHFpEF(左室駆出率が保たれた心不全)です。心臓の収縮する力は保たれているのに、硬くなって広がらないために心不全になるタイプで、高齢の方と高血圧の方に多く見られます。「心臓の動きは問題ないと言われたのに息切れする」場合、このタイプが疑われます。

🔹4. 脳 - 詰まるか、破れるか

病名特徴
脳出血もろくなった血管が破れて出血する。血圧との関連が特に強く、突然発症する
脳梗塞血管が詰まり、その先の脳が壊死する。手足の麻痺や言語障害などの後遺症が残ることが多い
血管性認知症症状の出ない小さな梗塞が積み重なり、記憶力や判断力が少しずつ低下する

脳の障害が他と違うのは、ある日突然、後戻りできない形で起こることです。腎臓や心臓は数値の変化として事前に捉えられますが、脳出血に前兆はほとんどありません。日々の血圧管理がそのまま予防になります。

🔹5. 目・足・大動脈

動脈硬化は全身の血管で同時に進みます。目の網膜の血管(高血圧性網膜症)、足の動脈(末梢動脈疾患:歩くとふくらはぎが痛む)、大動脈(大動脈瘤・大動脈解離)にも影響が及びます。

高血圧は「血圧計の数字の問題」ではなく、全身の血管の老化を早める病気と理解していただくのが正確です。

🔹6. 適切に管理する場合と、放置する場合

「薬を飲みたくない」というお気持ちはよく理解できます。管理には、薬だけでなく生活習慣の改善も含まれます。判断材料として、両方を並べます。

適切に管理する放置する
得られるもの脳卒中・心不全のリスク低下、腎機能低下の抑制、動脈硬化進行の緩和通院の手間がない、費用がかからない
負担・リスク定期的な通院と検査。薬を使う場合は薬代と副作用の可能性(めまい・ふらつきなど)、下げすぎへの注意自覚症状のないまま臓器障害が進むことがある
あとから調整できるか合わない薬は種類や量を変更できる。生活習慣の改善もあわせて調整できる脳卒中では後遺症が残ることがあり、進行したCKDなどは元の状態まで回復しにくい

薬の副作用の多くは種類や量の調整で対応できますが、いったん生じた臓器障害には回復が難しいものがあります。この違いが、早めに手を打つ理由です。

第5章 血圧が高いときに、してはいけないこと

「何をすればいいか」と同じくらい、「何を避けるべきか」が結果を左右します。ただし、その前に一つだけ確認していただきたいことがあります。

⚠️ 先に確認 - すぐに救急受診が必要な場合

血圧が高いときは慌てて下げないのが原則ですが、例外があります。著しい血圧上昇に加えて次のような症状を伴う場合は、臓器に急性の障害が起きている可能性があり、すぐに救急受診が必要です。

  • 胸の痛み、締めつけられるような感じ
  • 強い息苦しさ、横になれないほどの呼吸困難
  • 手足の麻痺、ろれつが回らない、片側だけ動かしにくい
  • これまで経験のないような激しい頭痛、嘔吐
  • 意識がもうろうとする、けいれん
  • 突然の視力低下

判断の分かれ目は、血圧の数値そのものよりもこうした症状を伴うかどうかです。数値が高くても症状がなければ、慌てて下げようとせず、安静にしたうえで受診についてご相談ください。

ただし、症状がない場合でも、180/120 mmHg以上のような著しい高値が繰り返し続く場合は、早めに医療機関へご相談ください。「症状がなければ放置してよい」という意味ではありません。

以下は、その「症状がなく、著しい高値でもない場合」に避けていただきたいことです。

🔹1. 自己判断で薬をやめる・減らす

最も避けていただきたい行動です。血圧が下がったのは薬が効いているからであり、中止すれば戻ります。特に急にやめると、かえって血圧が跳ね上がることがあります。減量や中止を検討する場合は、必ず主治医と一緒に進めてください。

🔹2. 数値だけを見て、急いで下げようとする

JSH2025では目標が130/80 mmHg未満に統一されましたが、同時に安全に達成することが強く求められています。急いで下げようとすると、めまい・立ちくらみ・症候性低血圧や、腎機能の悪化を招くことがあります。特に高齢の方では転倒・骨折のリスクに直結します。また、使用する薬剤(ACE阻害薬・ARB、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬など)や腎機能の状態によっては、高カリウム血症などの電解質異常にも注意が必要です。

「早く下げる」ではなく「無理なく下げ続ける」が正解です。

🔹3. 急激な寒暖差にさらされる

暖かい部屋から寒い脱衣所へ移動し、熱い湯に入る——この温度変化は血圧を大きく上下させ、ヒートショックの原因になります。脱衣所と浴室を暖める、湯温は41℃程度までにする、飲酒後の入浴は避ける、といった対策が有効です。冬の早朝、暖房のない部屋で急に動き出すのも同じリスクがあります。

🔹4. 市販薬・サプリメントを確認せずに使う

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛み止めや風邪薬として広く使われていますが、血圧を上げ、降圧薬の効果を弱め、腎機能を悪化させることがあります。腎機能が低下している方では特に注意が必要です。

また、甘草(カンゾウ)を含む漢方薬は、血圧上昇と低カリウム血症を起こすことがあります。市販薬や健康食品を継続して使う場合は、薬剤師や主治医に一度確認してください。

🔹5. 息を止めて力むような運動をする

運動は血圧を下げますが、種類によります。重い物を持ち上げて息を止める動作は、その瞬間に血圧を急上昇させます。筋力トレーニングを行う場合は、軽い負荷で息を止めずに行ってください。便秘でいきむことも同様のリスクになるため、排便のコントロールも意外に重要です。

🔹6. 腎機能が低下している方が、自己判断でカリウムを増やす

後述のとおり、JSH2025では減塩に加えてカリウム摂取を増やすことが推奨されています。野菜・果物・海藻・豆類などが挙げられます。

ただし腎機能が低下している方では、この推奨がそのまま当てはまりません。腎臓はカリウムを尿へ捨てる役割を担っているため、機能が落ちると血液中のカリウムが上がりやすくなります。高カリウム血症は不整脈の原因となり、危険です。ガイドラインにも、腎障害がある方は医師に相談が必要と明記されています。

健診でeGFRの低下や蛋白尿を指摘されている方は、カリウムを意識的に増やす前に必ずご相談ください。腎臓を守るために、今できることもあわせてご覧いただけます。

🔹7. 「症状がないから大丈夫」と判断する

第4章のとおり、高血圧は臓器障害が進んでも自覚症状に乏しいことが少なくありません。頭痛や肩こりは高血圧の指標にはならず、逆に「調子がいいから血圧も大丈夫だろう」という判断が最も危険です。判断材料は体調ではなく、家庭血圧の記録と血液・尿検査の数値です。

第6章 診断の流れと、JSH2025の管理目標

🔹1. 診断の流れ

  1. 問診・生活習慣の確認
    塩分摂取、飲酒、運動、睡眠、いびき、服用中の薬、家族歴を確認します
  2. 血圧測定(複数回・複数日)と家庭血圧の記録
    左右差や体位による変化も確認します
  3. 尿検査・血液検査
    尿蛋白・尿アルブミン、腎機能(クレアチニン、eGFR)、カリウム、血糖・HbA1c、脂質を評価します
  4. 心電図・胸部レントゲン(必要に応じて心エコー)
    左室肥大、心不全、不整脈の有無を確認します
  5. 二次性高血圧の検討
    疑うサインがある場合、原発性アルドステロン症のスクリーニング、腎疾患・甲状腺疾患・睡眠時無呼吸症候群の評価を行います

これらを総合して、血圧の分類、リスクの層別化、臓器障害の有無を判断し、管理計画を立てます。健診で異常を指摘された方の流れは健診後の二次検査についてもご参照ください。

🔹2. 降圧目標 - JSH2025で「原則130/80未満」に統一されました

今回の改訂で最も大きな変更点です。前版のJSH2019では、75歳以上の高齢者、脳血管障害のある方、蛋白尿が陰性の慢性腎臓病の方などは、有害事象を考慮して140/90 mmHg未満と区別されていました。

JSH2025では、75歳以上の高齢者も含めて、診察室血圧130/80 mmHg未満に統一されました。家庭血圧では125/75 mmHg未満です。

診察室血圧家庭血圧
原則130/80 mmHg未満125/75 mmHg未満

※ 病態や忍容性に応じて、降圧の速さや中間目標は個別に設定します。

腎臓病がある方の降圧目標も統一されました

慢性腎臓病(CKD)の方については、さらに新しい整理が出ています。日本腎臓学会は2026年6月25日に「慢性腎臓病(CKD)患者の血圧管理に関するステートメント」を発出し、JSH2025との整合を図りました。

ここでは、CKDの方の降圧目標は糖尿病の有無や蛋白尿の区分(A1〜A3)にかかわらず、原則として診察室血圧130/80 mmHg未満(家庭血圧125/75 mmHg未満)に統一されました。

従来、糖尿病を合併せず蛋白尿が陰性のCKD(A1区分)の方は140/90 mmHg未満が目標とされていました。現在は、この方々についても130/80 mmHg未満を目指し、必要に応じて140/90 mmHg未満を中間目標とするなど慎重に降圧を進めることが原則とされています。つまり140/90 mmHg未満は最終的な目標ではなく、途中の通過点という位置づけに変わりました。

75歳以上の方についても、年齢による一律の区分ではなく、腎機能・年齢・日常生活動作(ADL)などの状態に応じた個別化が求められています。降圧を進める際には、急性腎障害や高カリウム血症などの電解質異常、めまい・ふらつき・立ちくらみといった低血圧に関連する症状に注意します。

なお、JSH2025でも、75歳以上で脳血管障害があり両側の頸動脈狭窄や脳の主幹動脈閉塞がある(または未評価の)方などについて、個別に調整する状況が示されています。妊娠中の方、施設入所中の方、終末期の方なども個別に設定します。

あわせてJSH2025では、一般の高血圧について「まず140/90を目指す」という段階的な目標はなくなりました。ただし数値を機械的に押し込むわけではありません。降圧を進める際は、めまい・立ちくらみ・症候性低血圧や腎機能の悪化に注意し、使用する薬剤によっては高カリウム血症などの電解質異常にも注意しながら、安全性を確認しつつ進めることが求められています。

🔹3. 治療開始のタイミングも明確になりました

もう一つの変更点が、薬物療法を始める判断です。リスクの高い高値血圧(130〜139/80〜89 mmHg)の方、低・中等リスクの高血圧(140/90 mmHg以上)の方では、生活習慣の指導後に1か月以内に再評価し、十分に下がらなければ生活習慣の改善を続けながら薬物療法を開始する流れが示されました。

「まず半年、生活習慣で頑張ってみましょう」という進め方から、先延ばしにしない方向へ舵が切られたことになります。一方、高リスクの高血圧やⅡ度・Ⅲ度高血圧などでは、生活習慣の改善と並行して早期に薬物療法を開始します。

第7章 治療 - 生活習慣と薬、それぞれの役割

🔹1. 生活習慣の修正

(1)減塩 - 1日6g未満

日本人の平均摂取量は目標を大きく上回っています。完璧を目指すより、確実に減る工夫が続きます。麺類の汁を全部残すだけで2〜3gの減塩になることもあります。加工食品・漬物・練り物を減らし、レモン・酢・香辛料・だしで味を補うのが基本です。

(2)カリウムを増やす - JSH2025の新しい視点

JSH2025では、ナトリウムを減らすだけでなくカリウムとのバランスを見る指標として、尿ナトリウム/カリウム比(尿Na/K比)の活用が提案されました。減塩を「我慢」だけで続けるのではなく、カリウムを含む食品を足していく方向に変えられるのが利点です。減塩とカリウム摂取のバランスをみる補助的な指標として活用されます。

ただし、第5章で述べたとおり、腎機能が低下している方は自己判断でカリウムを増やさないでください。

(3)運動 - 有酸素運動に筋力トレーニングを加える

目安は、軽〜中等度の有酸素運動をなるべく毎日30分以上行うことです。ウォーキング、自転車、水泳などが中心になります。

JSH2025では、これに加えて筋力トレーニングも降圧手段として明記されました。スクワットやかかと上げなど、自重で軽くできるものから始めて構いません。ただし息を止めて力むやり方は避けてください。

(4)減量 - BMI 25未満を目安に

体重を3〜5%減らすだけでも血圧の改善が期待できます。70kgの方なら2〜3.5kgです。いきなり標準体重を目指すより、この幅を確実に達成するほうが続きます。

(5)節酒

エタノール換算で、男性は1日20〜30mL以下、女性は10〜20mL以下が目安です。日本酒なら男性1合、ビールなら中瓶1本程度に相当します。あわせて、週に数日の休肝日を設けてください。

(6)禁煙

喫煙は一時的な血圧上昇に加え、動脈硬化を直接進めます。血管を守るという観点では、優先度の高い取り組みです。

(7)睡眠とストレス

睡眠不足と慢性的なストレスは交感神経を刺激し続けます。6〜8時間程度の睡眠を確保し、いびきや日中の眠気がある場合は睡眠時無呼吸症候群の評価を検討してください。

🔹2. 薬物療法 - 主要降圧薬が5系統に整理されました

JSH2025では、単剤でも脳心血管病の抑制効果が示されている5種類が主要降圧薬(グループ1)として位置づけられ、降圧薬のグループ分類が新設されました。

薬の種類作用向いている方
長時間作用型ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬末梢の血管を広げて抵抗を下げる。降圧効果が確実で使いやすい高齢の方、動脈硬化が主体の高血圧
ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)RAA系を遮断。腎臓・心臓の保護作用が期待できる慢性腎臓病(特に蛋白尿がある方)、糖尿病を合併する方
ACE阻害薬ARBと同じ経路を上流で遮断。心不全にも用いる心不全、腎保護を重視する場合
サイアザイド系利尿薬余分な塩分と水分を排出し、血液量を減らす食塩感受性が高い方、むくみを伴う方
β遮断薬心拍数を落とし、心臓の負担を軽減する狭心症、心筋梗塞後、心不全、頻脈を伴う方

ここで注目すべきはβ遮断薬の位置づけの変化です。JSH2019では糖尿病を起こしやすい作用や高齢者への使用に慎重な評価がなされていましたが、そうした懸念は一部の薬剤に限られるとして、有用性と安全性が確立したビソプロロールやカルベジロールについては使用が推奨されるようになりました。

なお、1剤を最大量まで増やすより、少量ずつ複数を組み合わせるほうが副作用を抑えながら確実に下げられることが多く、早めの併用も選択肢となります。

🔹3. 合併症がある場合の考え方

(1)慢性腎臓病(CKD)を合併している場合

降圧目標は、糖尿病の有無や蛋白尿の区分にかかわらず原則130/80 mmHg未満(家庭血圧125/75 mmHg未満)です。蛋白尿を伴うCKDでは、腎臓を守る目的でACE阻害薬・ARBが中心となります。加えて、病態に応じてSGLT2阻害薬を用いることがあります。

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬であるフィネレノン(ケレンディア)は、国内では2型糖尿病を合併する慢性腎臓病が適応であり、すべてのCKDに使えるわけではありません。薬剤の選択は腎機能、蛋白尿の程度、カリウム値、糖尿病の有無によって変わります。詳細は高血圧と慢性腎臓病(CKD)の関係をご覧ください。

(2)高齢の方

目標は同じ130/80 mmHg未満ですが、到達の仕方が異なります。起立性低血圧、ふらつき、転倒に注意しながら、家庭血圧を見て緩やかに調整します。フレイルのある方では、安全域の中で個別に到達点を設定します。年齢だけで一律に目標を緩めるのではなく、腎機能・年齢・日常生活動作(ADL)に応じて個別に調整するのが現在の考え方です。

(3)糖尿病・脂質異常症を合併している場合

動脈硬化の進行リスクが重なるため、血圧だけでなくLDLコレステロールと血糖の管理を並行して行います。脂質異常症と腎臓の関係もあわせてご覧ください。

🔹4. 治療の主役は、診察室の外にあります

診察は月に1回、数分です。残りの時間をどう過ごすかが結果を決めます。

  • 家庭血圧を記録し、受診時にそのまま見せる
  • 体重を週1回、同じ条件で測る
  • 減塩は「味覚が慣れるまで2〜3週間」と考えて続ける
  • 調子や副作用の変化は、次の受診まで待たずに相談する

JSH2025がガイドラインの名称を「高血圧治療ガイドライン」から「高血圧管理・治療ガイドライン」へ変更したのは、まさにこの点を重視したためです。医療機関での治療だけでなく、日常の自己管理を含めた包括的な管理へと考え方が広がっています。生活習慣改善の章にはスマートフォンアプリなどデジタル技術の活用も盛り込まれました。

第8章 まとめ・よくある質問・受診案内

🔹1. まとめ

  • 血圧が上がる原因は、食塩感受性・RAA系・交感神経・動脈硬化・肥満・遺伝の6つに整理できます。年代によって主役は変わります
  • 約1割は原因を治せる二次性高血圧です。若年発症、薬が効かない、低カリウム血症、いびきは疑うサインです
  • 診断基準は140/90 mmHg以上(家庭血圧135/85以上)で据え置き。ただし120/80以上のすべての方が管理の対象です
  • JSH2025の降圧目標は、年齢によらず原則130/80 mmHg未満(家庭血圧125/75未満)。安全に達成することが前提です
  • CKDの方の降圧目標も、糖尿病の有無や蛋白尿の区分によらず原則130/80 mmHg未満に統一されました(日本腎臓学会ステートメント2026)
  • 多くの場合、臓器の障害がある程度進むまで自覚症状に乏しいままです。早い段階ほど進行を抑えられ、一部の変化は改善できる可能性があります

🔹2. よくある質問

Q1.放置すると、どのくらいで悪くなりますか?

進み方には大きな個人差があり、期間で一律にお答えすることはできません。血圧の高さ、糖尿病・脂質異常症の合併、喫煙、蛋白尿の有無、すでにある動脈硬化の程度などによって大きく変わります。一方で、たどる段階にはおおまかな共通点があります(ただし、必ずこの順に進むわけではありません)。まず自覚症状のないまま血管に負担がかかり、次に蛋白尿・eGFRの低下・左室肥大といった変化が検査に現れ、その先で脳卒中や心不全、腎不全として発症します。検査に変化が現れる段階で介入できれば、多くは進行を抑えられます。

Q2.血圧が高いときに、してはいけないことは何ですか?

自己判断で薬をやめること、急激な寒暖差にさらされること、NSAIDs(痛み止め)や甘草を含む漢方薬を確認せずに使うこと、息を止めて力む運動、そして腎機能が低下している方が自己判断でカリウムを増やすことです。詳しくは第5章をご覧ください。

Q3.薬は一生飲み続けなければいけませんか?

必ずしもそうではありません。生活習慣の改善で血圧が安定すれば減量できる場合がありますし、睡眠時無呼吸症候群の治療後や原発性アルドステロン症の治療後など、原因が解決して薬から離れられる方もいます。ただし自己判断での中止は危険です。必ず主治医と相談してください。

Q4.140台なら、もう少し様子を見てもいいですか?

JSH2025では、リスクの高い高値血圧(130〜139/80〜89)や低・中等リスクの高血圧(140/90以上)について、生活習慣の指導後に1か月以内に再評価する流れが示されています。「来年の健診まで」ではなく、1か月単位で確認するのが現在の考え方です。

Q5.下(拡張期)だけが高いのですが、問題ありませんか?

拡張期血圧のみの上昇も血管への負担となり、心血管疾患のリスクと関連します。特に若い年代でこの形をとることが多く、二次性高血圧が隠れている場合もあります。評価をお勧めします。

Q6.高齢です。薬で下げすぎて転倒しないか心配です。

妥当なご心配です。JSH2025は目標を130/80未満に統一する一方で、めまい・立ちくらみ・症候性低血圧や腎機能の悪化に注意し、個別に判断することを明確に求めています。使用する薬剤によっては電解質異常にも注意します。年齢だけで目標を決めるのではなく、腎機能や日常生活動作の状態を見ながら緩やかに調整しますので、ふらつきを感じたら我慢せずお知らせください。

Q7.家庭血圧はいつ、どう測ればよいですか?

上腕式の血圧計を使い、朝は起床後1時間以内・排尿後・朝食前と服薬前に、夜は就寝前に測定します。背もたれのある椅子に座り、1〜2分安静にしてから測ってください。1回の値ではなく、一定期間の平均で評価します。

Q8.季節によって血圧が変わるのはなぜですか?

冬は寒さで血管が収縮するため上がりやすく、夏は発汗や脱水で下がりやすくなります。季節に応じて薬の調整が必要になることもあるため、家庭血圧の記録を続けて医師と共有してください。

Q9.減塩がなかなか続きません。

味覚が慣れるまでに2〜3週間かかります。全体を薄味にするより、「麺類の汁を残す」「加工食品を減らす」など効果の大きい行動を1つか2つに絞るほうが続きます。尿Na/K比のように、成果が数値で見えると継続しやすくなります。

Q10.家族に高血圧が多いのですが、遺伝で決まってしまいますか?

遺伝的な素因はありますが、それだけで決まるわけではありません。同じ素因でも、生活習慣によって発症の時期と重症度は大きく変わります。家族歴がある方こそ、早い段階からの家庭血圧測定と定期的な検査に意味があります。

🔹3. ご相談・受診案内

次のような方は、一度ご相談ください。

  • 健診で血圧や腎機能(eGFR・尿蛋白)の異常を指摘された方
  • 薬を飲んでいても血圧が目標に届かない方
  • 若くして高血圧を指摘された方、二次性高血圧が気になる方
  • 糖尿病・脂質異常症を合併しており、腎臓への影響が心配な方
  • 家庭血圧の測り方や記録の見方を相談したい方

当院は尾張旭市・瀬戸市エリアで、腎臓と生活習慣病を軸に診療しています。血圧と腎臓の両方を同じ視点で診られることを強みとしています。

🔹4. 監修

きたはらやまクリニック 院長 加藤 彰浩
日本内科学会 総合内科専門医/日本腎臓学会 腎臓専門医

🔹5. 参考文献・ガイドライン

  • 日本高血圧学会:高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)
  • 日本高血圧学会:日本人のための尿ナトリウム/カリウム比に関するコンセンサスステートメント(2024年)
  • 日本腎臓学会:慢性腎臓病(CKD)患者の血圧管理に関するステートメント(2026年6月25日策定)
  • 日本腎臓学会:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023
  • 日本腎臓学会:CKD診療ガイド2024
  • KDIGO 2021 Clinical Practice Guideline for the Management of Blood Pressure in CKD
  • KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of CKD
  • 日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版

🔹6. 免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を代替するものではありません。症状や治療方針については、必ず医師にご相談ください。