「健診でクレアチニンを指摘された」「腎臓の検査を受けたほうがよいと言われた」というとき、実際にどんな検査が行われるのかは分かりにくいものです。腎臓の検査は一つではなく、血液・尿・画像・組織という異なる角度から、それぞれ別のことを調べています。
このページでは、腎臓の検査で調べる項目を一覧で示したうえで、それぞれの検査が何を見ていて、結果から何が分かるのかを、尾張旭市の腎臓専門医がご説明します。
腎臓の検査で調べる項目
腎臓の検査で行われる主な項目は、次のとおりです。すべてを一度に行うわけではなく、健診の結果やお持ちの病気に応じて、必要なものを組み合わせて選びます。
| 検査 | 調べる項目 | 主に分かること |
|---|---|---|
| 血液検査 | クレアチニン・eGFR | 腎臓のろ過機能の推定 |
| シスタチンC | 筋肉量の影響を受けにくい、ろ過機能の推定 | |
| 尿素窒素・電解質・ヘモグロビン | 腎機能低下に伴う体の変化 | |
| 尿検査 | 尿たんぱく・尿潜血(定性) | 尿たんぱくや潜血反応の有無をみるスクリーニング |
| 尿たんぱく/クレアチニン比、尿アルブミン/クレアチニン比(定量) | 尿に漏れているたんぱく・アルブミンの量 | |
| 尿沈渣 | 赤血球・円柱・白血球 | 血尿などの原因を考える手がかり |
| 画像検査 | 腹部(腎)エコー | 腎臓の大きさ・形・左右差、のう胞、尿路の拡張など |
| 組織検査 | 腎生検 | 組織レベルで原因や病変の状態を評価 |
どの検査を行うか、また結果が出るまでの期間は、項目によって異なります。診察のうえでご案内します。
この表で押さえていただきたいのは、血液検査と尿検査が、それぞれ別のことを見ているという点です。血液検査は「腎臓がどのくらい働けているか」という機能の水準を、尿検査は「腎臓のフィルターが傷んでいないか」という障害の有無を調べています。どちらか一方だけでは、腎臓の状態は把握できません。
なお腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として出すほか、血圧の調整、赤血球をつくるホルモンの分泌、骨の健康維持にも関わっています。腎臓の働きそのものについては、慢性腎臓病(CKD)とはのページで詳しくご説明しています。
また、健診で異常を指摘されて「再検査では何をされるのか」「どのくらいの数値なら受診すべきか」をお知りになりたい方は、腎臓の再検査・精密検査では何を調べるのかのページをご覧ください。
血液でわかること:クレアチニンとeGFR
クレアチニン
クレアチニンは、筋肉が動くときに生じる老廃物です。血液に乗って腎臓へ運ばれ、ろ過されて尿に捨てられます。腎臓のろ過が追いつかなくなると、捨てきれなかった分が血液中に残るため、数値が上がります。
| 血清クレアチニン | 基準範囲の目安 |
|---|---|
| 男性 | 0.65〜1.07 mg/dL |
| 女性 | 0.46〜0.79 mg/dL |
ただし、クレアチニンは筋肉から生じる物質なので、筋肉量に左右されます。筋肉の多い方ではもともと高めに、女性や高齢の方、痩せている方では低めに出ます。激しい運動をした後や、肉を多く食べた後にも上がることがあります。
eGFR(推算糸球体濾過量)
クレアチニンの値をそのまま見ても、筋肉量の差があるため人によって意味が変わってしまいます。そこで、クレアチニン値に年齢と性別を組み合わせて計算し直したものがeGFRです。「腎臓が1分間にどれくらいの量をろ過できているか」を、体格を標準化したうえで推定した数値になります。
健診の結果票にeGFRが載っていれば、クレアチニンの生の値より、まずこちらをご覧ください。単位はmL/分/1.73㎡ですが、日常的には数値だけで扱われます。
注意していただきたいのは、eGFRが60未満というだけで慢性腎臓病(CKD)と診断されるわけではないことです。CKDは、eGFR 60未満、または尿たんぱくなどの腎臓の障害を示す所見が、3か月以上続いている場合に診断します。1回の測定で決まるものではありません。逆に、尿たんぱくが続いていれば、eGFRが60以上でもCKDに該当することがあります。
ステージの分け方や進み方については、腎臓病のステージと進行のページでご説明しています。
クレアチニンだけでは分からないこと
クレアチニンには、腎臓の検査として使ううえで注意すべき点があります。腎機能が低下していても、数値が基準範囲内に見えることがあるという点です。
理由は、クレアチニンが筋肉量に左右されるためです。もともと筋肉量が少ない方では、腎臓のろ過機能が落ちていても、血液中のクレアチニンは低めにとどまります。次の図をご覧ください。
同じ「クレアチニン 0.78 mg/dL」という、男女とも基準範囲に収まる数値であっても、35歳の男性ではeGFRが約92、75歳の女性では約55になります。後者は慢性腎臓病を疑う水準です。クレアチニンの生の値を見ているだけでは、この差に気づけません。
そのため、「クレアチニンが基準範囲内だったから腎臓は大丈夫」とは言えません。年齢と性別で補正したeGFRを見ること、そして尿検査を組み合わせることが必要になります。特に次のような方では、クレアチニンの数値だけを見ていると腎機能の低下を見落とすことがあります。
- ご高齢の方、筋肉量が少ない方、痩せている方
- 長期の療養などで筋肉が落ちている方
- 糖尿病や高血圧があり、早い段階の変化を確認したい方
この弱点を補うために使われるのが、次にご説明するシスタチンCと、尿検査です。
あわせて確認する血液の項目
腎臓の評価では、ろ過機能の指標だけでなく、機能が落ちたときに体に起こる変化もあわせて確認します。
- 尿素窒素(BUN):たんぱく質の老廃物です。腎機能のほか、脱水や食事内容、消化管出血などでも変動するため、クレアチニンとの兼ね合いで読みます
- 電解質(カリウム・ナトリウム・リンなど):腎臓は体内のミネラルバランスを調整しています。機能が落ちると、特にカリウムが上がりやすくなります
- ヘモグロビン:腎臓は赤血球をつくるホルモンを分泌しています。腎機能の低下に伴って貧血が現れることがあります
筋肉量の影響を受けにくい指標:シスタチンC
シスタチンCは、全身の細胞から常に一定のペースでつくられているたんぱく質です。腎臓の糸球体でろ過されるため、血液中の濃度から腎臓のろ過機能を推定できます。
クレアチニンとの最大の違いは、筋肉量にほとんど左右されないことです。そのため、クレアチニンでは腎機能を過大に評価してしまいやすい方でも、実際の状態に近い値が得られます。
クレアチニンとの違い
| 項目 | クレアチニン | シスタチンC |
|---|---|---|
| 由来 | 筋肉から生じる老廃物 | 全身の細胞で常に産生 |
| 影響を受けるもの | 筋肉量・運動・食事内容 | 甲状腺機能・ステロイド薬 |
| 得意なこと | 広く測定でき、経過を追いやすい | 筋肉量が少ない方でも実態に近い評価ができる |
| 苦手なこと | 筋肉量が少ない方では腎機能を高く見積もりやすい | 腎機能が大きく低下した段階では精度が落ちる |
| 測定のしやすさ | 健診で標準的に測定される | 健診では通常含まれず、必要に応じて追加する |
シスタチンCからも、クレアチニンとは別の計算式でeGFRを算出できます(eGFRcys)。両方を測って値が食い違う場合、その差自体が、体格や筋肉量の影響を読み解く手がかりになります。
どのような方に有用か
- ご高齢の方、筋肉量が少ない方、痩せている方
- クレアチニンは基準範囲内だが、尿たんぱくが出ているなど、腎臓の状態が気になる方
- クレアチニンから求めたeGFRが、体格や経過と合っていないと考えられる方
一方で、甲状腺機能に異常がある方や、ステロイド薬を使用中の方では、シスタチンCの値そのものが影響を受けます。また、腎機能がかなり低下した段階では、シスタチンCによる推定の精度は落ちます。どちらか一方が優れているのではなく、状況に応じて使い分ける、あるいは両方を見るという位置づけの検査です。
当院での測定について
当院ではシスタチンCの測定を行っています。採血は通常の血液検査と一緒に行いますので、追加のご来院は必要ありません。結果は後日のご説明となります。
腎機能の評価を目的とする場合は保険診療の対象となりますが、算定できる回数に制限があります。測定が適しているかどうかを含めて、診察のうえでご相談ください。
尿でわかること:たんぱく・アルブミン・潜血
血液検査が腎臓の「働きの水準」を見るのに対し、尿検査は腎臓の「フィルターが傷んでいないか」を見ています。クレアチニンやeGFRが保たれている段階でも、尿たんぱくや尿アルブミンといった、腎臓の障害を示す所見が見つかることがあります。だからこそ、血液検査と尿検査の両方をあわせて確認する必要があります。
尿たんぱく
腎臓の糸球体は、老廃物や水分を通し、体に必要なたんぱく質は通さないという、非常に細かいふるいの役割を果たしています。このふるいが傷むと、本来は通らないはずのたんぱく質が尿に漏れ出します。
多くの健診で行われる尿たんぱく検査は、試験紙を使った定性検査です。(−)(±)(+)といった記号で、おおよそ出ているかどうかを判定します。手軽な反面、尿の濃さに左右されるという弱点があります。水分をあまり摂っていない朝の尿は濃くなるため、同じ量が漏れていても(+)と出やすくなります。
そこで、実際にどれくらい漏れているのかを確認するために行うのが定量検査です。尿中のたんぱく質を、同じ尿に含まれるクレアチニンの量で割ることで、尿の濃さの影響を打ち消します(尿たんぱく/クレアチニン比)。
| 尿たんぱく/クレアチニン比 | 評価の目安 |
|---|---|
| 0.15 g/gCr 未満 | 正常 |
| 0.15〜0.49 g/gCr | 軽度の増加 |
| 0.50 g/gCr 以上 | 高度の増加 |
なお、尿たんぱくは発熱や激しい運動の後などに一時的に出ることがあります。1回の結果だけで判断せず、時間をおいて確認します。(±)は健診では保健指導の対象となる範囲ですが、くり返し出る場合は定量で確認します。
尿たんぱくの原因や、尿の泡立ちとの関係については、タンパク尿(尿たんぱく)とはのページで詳しくご説明しています。
尿アルブミン
アルブミンは、血液中に最も多く含まれるたんぱく質です。糖尿病による腎臓の変化では、試験紙の尿たんぱくが陰性の段階で、すでにアルブミンだけがわずかに漏れ始めていることがあります。この微量の漏れを捉えるのが尿アルブミンの検査です。
| 尿アルブミン/クレアチニン比 | 評価の目安 |
|---|---|
| 30 mg/gCr 未満 | 正常 |
| 30〜299 mg/gCr | 微量アルブミン尿 |
| 300 mg/gCr 以上 | 顕性アルブミン尿 |
この段階で見つけて治療を始められるかどうかが、その後の経過に関わってきます。糖尿病のある方では、尿たんぱくが陰性でも定期的に確認する意義がある検査です。詳しくは糖尿病性腎症とはのページをご覧ください。
尿潜血
尿に血液が混じっていないかを調べる検査です。陽性となる原因は腎臓に限らず、尿管・膀胱・前立腺・尿道といった尿の通り道の病気(結石、感染、腫瘍など)でも起こります。
また、月経中の採尿、激しい運動の後、尿路の感染などで一時的に陽性となることもあります。
判断のうえで重要なのは、尿たんぱくが一緒に出ているかどうかです。尿潜血だけが陽性の場合と、尿たんぱくと尿潜血が重なっている場合とでは、想定される原因も、必要な検査も変わります。後者では、腎臓そのものの評価が必要になります。
尿沈渣:血尿の原因が腎臓側にあるかを探る
尿沈渣は、尿を遠心分離して沈んだ成分を顕微鏡で観察する検査です。試験紙では分からない、血液がどこから来ているのかを推定する手がかりが得られます。すべての血尿を腎臓由来か尿路由来かに振り分けられるわけではありませんが、判断の方向を定めるうえで重要な検査です。
- 赤血球円柱:尿細管の中で赤血球が固まり、管の形をとったものです。これが見つかれば、出血が腎臓の中で起きていることを強く示します
- 赤血球の数:試験紙の反応が、実際に赤血球によるものかを確認します
- 白血球・細菌:尿路の感染が背景にないかを確認します
- そのほかの円柱・上皮細胞:腎臓の中で起きている変化の手がかりになります
ここで一点、結果を読むうえで大切なことがあります。赤血球円柱は、見つかれば腎臓由来を強く示しますが、見つからないことは腎臓由来を否定しません。もともと頻繁に現れる所見ではないため、報告書に記載がないのは「今回は見られなかった」という意味であって、「腎臓に問題はない」という意味ではありません。
そのため尿沈渣は、単独で結論を出す検査ではなく、尿たんぱくの量、eGFRの推移、年齢やこれまでの経過と組み合わせて読むものとお考えください。
画像でわかること:腎エコー
ここまでの血液検査と尿検査は、いずれも数値で腎臓の状態を推し量るものでした。これに対して腎エコー(腹部超音波検査)は、腎臓の形そのものを直接見る検査です。おなかに機械をあてるだけで、痛みも放射線被曝もありません。
主に確認するのは次の点です。
- 大きさと左右差:長期にわたって腎臓が傷んでいると、腎臓は少しずつ縮んでいきます。片側だけが小さい場合には、その側の血流の問題なども考えます
- 結石など:腎臓内の結石など、血尿の原因となる形の異常が見つかることがあります
- のう胞:加齢に伴って生じる問題のないものが大半ですが、数や大きさによっては経過をみます
- 尿の流れの滞り(水腎症):尿路の通過障害による腎機能低下は、原因を取り除くことで改善が期待できます
エコーが果たす役割として特に大きいのは、腎臓の変化がどのくらいの期間にわたるものかを考える手がかりが得られる点です。血液検査でeGFRが低いことは分かっても、それが最近の変化なのか以前からなのかは、数値だけでは判断できません。腎臓の縮小や、皮質が薄くなる所見があれば、長い期間にわたる変化を示す手がかりになります。ただし、大きさが保たれていても、慢性腎臓病を否定できるわけではありません。
また、尿の流れが滞っているような、取り除ける原因を見つけられるのも画像検査ならではです。数値だけを追っていては気づけません。
なお、エコーで予想していなかった形の異常が見つかることもあります。ただし、エコーだけでは判断できないものも多く、必要な場合にはCTやMRIなどの追加検査や、泌尿器科での評価をご案内します。
当院では腎エコーを実施しています。検査の内容によって、事前に食事や水分についてご案内することがあります。混雑状況によっては、日を改めてお願いする場合があります。
組織を調べる検査:腎生検
腎生検は、腎臓の組織を細い針で少量採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。血液・尿・画像では届かない細胞レベルの変化を、直接確かめられます。
腎臓が傷んでいる原因は、これまでの経過やお持ちの病気、血液・尿・画像の所見を組み合わせることで、多くの場合はある程度まで絞り込めます。腎生検が必要になるのは、それでも原因が特定できないときや、組織の状態によって治療方針が変わりうるときです。
どのようなときに行うのか
- 尿たんぱくが多く、原因がほかの検査で特定できないとき
- 尿たんぱくと血尿が続き、腎炎が疑われるとき
- 比較的短い期間に腎機能が低下しており、原因を急いで確かめる必要があるとき
- 診断がついても、組織の状態によって治療方針が変わりうるとき
体への負担と実施の場所
腎臓は血液が非常に豊富に流れている臓器のため、腎生検には出血のリスクを伴います。そのため、検査後に安静を保ち、経過を観察できる体制が必要です。日本では通常、数日間の入院のうえ、腎臓専門医のいる医療機関で行われます。入院期間は、医療機関や患者さんの状態によって異なります。
当院では腎生検は実施していません。必要と判断した場合には、連携する医療機関へご紹介します。ご紹介後も、当院で日常の管理を継続していただけます。
なお、腎臓の検査を受ける方の大半に腎生検が必要になるわけではありません。血液・尿・画像の検査で方針が決まる場合がほとんどです。
どの検査を、どう組み合わせるのか
ここまで個々の検査をご説明してきましたが、腎臓の評価で本当に大切なのは組み合わせ方です。それぞれの検査が見ているものが違うため、一つだけでは腎臓の状態は分かりません。
組み合わせ方の例
実際には、どこに関心があるかによって選び方が変わります。
| 状況 | 中心となる検査 |
|---|---|
| 健診でeGFRの低下を指摘された | 血液(再確認)+尿たんぱく定量+過去の健診結果との比較 |
| 糖尿病がある | 尿アルブミン定量。尿たんぱくが陰性でも確認します |
| 尿潜血だけが陽性 | 尿沈渣+腎エコー(結石などの確認) |
| 尿たんぱくと尿潜血が重なっている | 尿沈渣+尿たんぱく定量。腎臓そのものの評価が必要です |
| 筋肉量が少なく、クレアチニンが当てにならない | シスタチンC |
1回の結果より、変化のほうが大切です
腎臓の検査で、単発の数値以上に意味を持つのが推移です。同じeGFR 55でも、5年前から55で安定している方と、2年前は80だった方とでは、状況がまったく違います。
慢性腎臓病(CKD)の診断に「3か月以上の持続」という条件があるのも、同じ理由によります。一時的な変動と、続いている変化とを区別する必要があるためです。
ご受診の際は、過去2〜3年分の健診結果をお持ちください。1回の数値だけを見るより、はるかに多くのことが分かります。
検査を受けたほうがよい方と、受診の流れ
このような方はご相談ください
- 健診で、クレアチニン高値・eGFR低下・尿たんぱく・尿潜血のいずれかを指摘された方
- 糖尿病・高血圧・脂質異常症で通院中で、腎臓への影響を確認しておきたい方
- 健診の項目に腎臓の検査が含まれておらず、一度調べておきたい方
- むくみ、夜間の頻尿、尿の泡立ちが続いて気になる方
- ご家族に腎臓の病気や透析を受けている方がいて、ご自身も確認しておきたい方
腎臓の検査は何科で受けるのか
腎臓に関わる診療科には、腎臓内科と泌尿器科があり、扱う範囲が異なります。
| 腎臓内科 | 泌尿器科 | |
|---|---|---|
| 主に評価する問題 | 腎臓のろ過機能や、糸球体・尿細管などの内科的な病気 | 腎臓・尿管・膀胱・前立腺など、尿路の形や外科的な病気 |
| 主な対象 | 尿たんぱく、腎機能の低下、慢性腎臓病、腎炎 | 結石、腫瘍、尿の通過障害、排尿の異常 |
| 診療の進め方 | 血液・尿検査を中心に原因を評価し、内科的に治療する | 画像や内視鏡で評価し、必要に応じて処置・手術を行う |
目安として、尿たんぱくやeGFRの低下が中心であれば腎臓内科、尿潜血だけが続いている場合や、排尿の症状が中心であれば泌尿器科の評価が必要になることが多くなります。ただし、尿潜血に尿たんぱくや腎機能の低下を伴う場合には、腎臓内科での評価もあわせて必要になります。
ただし、どちらか迷う段階でご判断いただく必要はありません。当院でまず検査を行い、泌尿器科での評価が望ましいと判断した場合には、ご紹介します。当院の診療内容は腎臓内科の診療についてをご覧ください。
受診の流れ
- 健診結果(できれば過去2〜3年分)とお薬手帳をご持参ください
- 問診・診察で、これまでの経過やお困りのことをうかがいます
- 必要に応じて、尿検査・血液検査・腎エコー・血圧の評価を行います
- 結果をご説明し、今後の進め方を一緒に決めます
検査の結果が出るまでの期間は項目によって異なり、多くは後日のご説明となります。ご来院時に、次回のご案内をいたします。
よくあるご質問
腎臓の検査に入院は必要ですか?
血液検査、尿検査、尿沈渣、腎エコーは、いずれも外来で受けられます。入院が必要になるのは腎生検の場合で、出血のリスクを伴うため、日本では通常、数日間の入院のうえ実施します。入院期間は医療機関によって異なります。ただし、腎臓の検査を受ける方の大半で、腎生検までは必要になりません。
健診に入っている項目だけでは足りませんか?
健診の種類によって項目は異なります。尿たんぱくは多くの健診に含まれますが、血清クレアチニンやeGFR、尿潜血は含まれていない健診もあります。特定健診では、血清クレアチニンは医師が必要と認めた場合に実施する項目という位置づけです。また、尿たんぱくの定量や、糖尿病のある方に必要な尿アルブミンは、通常の健診では行われないことがほとんどです。健診で異常を指摘された場合や、健診に腎臓の項目が含まれていない場合には、追加の検査で確認する必要があります。
シスタチンCはどこで測れますか?
健診の標準項目には含まれておらず、医療機関で必要と判断された場合に測定します。当院でも測定を行っており、通常の採血とあわせて実施できます。外部の検査機関に依頼するため、結果のご説明は後日となります。
検査の前に食事や水分を控える必要はありますか?
検査の内容によって異なります。腎エコーを行う場合は、事前に食事や水分についてご案内することがあります。尿検査については、極端に水分を摂りすぎると尿が薄まり、判定に影響することがあります。ご予約の際にお伝えしますので、事前にお問い合わせください。
腎臓の検査は、どのくらいの間隔で受けるとよいですか?
お一人ごとの状態によって異なります。健診で異常がなく、糖尿病や高血圧もない方であれば、年1回の健診で確認できていることが多くなります。一方で、腎機能の低下や尿たんぱくを指摘されている方、糖尿病や高血圧で治療中の方では、より短い間隔での確認が必要です。適切な間隔は診察のうえでご相談します。
症状が何もありませんが、検査を受ける意味はありますか?
腎臓は、機能がかなり低下するまで症状が出にくい臓器です。症状がないことは、腎臓に変化がないことを意味しません。むしろ、症状のない段階で変化を見つけられることに、検査の意味があります。
検査で異常が見つかったら、すぐに薬が必要になりますか?
すべての方に薬が必要になるわけではありません。原因や進み具合、ほかにお持ちの病気によって、生活の工夫を中心に進める場合もあります。まず状態を正確に把握することから始めます。
ご相談ください
腎臓の検査は、数値を並べることが目的ではありません。何が起きていて、これからどうなりそうで、そのために何ができるのかを見極めるために行うものです。
健診の結果が気になる方、腎臓の状態を一度確認しておきたい方は、尾張旭市・瀬戸市のきたはらやまクリニックへご相談ください。健診結果(紙・アプリ)をお持ちいただくとスムーズです。
あわせてお読みください
- 腎臓の再検査・精密検査では何を調べるのか|健診で指摘された方の受診の目安
- 慢性腎臓病(CKD)とは|原因と放置したときのリスク
- 腎臓病のステージと進行|ステージ分類と進み方
- タンパク尿(尿たんぱく)とは|原因・尿の泡立ち・再検査の目安
- 腎臓を守るために、今できること|生活習慣と管理目標
免責事項
本ページは一般的な医療情報の提供を目的としたもので、特定の症状・疾患について診断や治療を行うものではありません。検査値の意味や必要な検査は、年齢・既往歴・お持ちの病気によって異なります。実際の診断・治療については、必ず医療機関で医師にご相談ください。
参考文献
日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」/日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」/日本腎臓学会・日本泌尿器科学会ほか「血尿診断ガイドライン2023」/日本臨床検査標準協議会(JCCLS)共用基準範囲/厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」
