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糖尿病と診断されたら最初に読むページ|まず何をすべきか専門医が解説

糖尿病と診断されたら最初に読むページ

受診から合併症の確認、治療開始、通院までの“順路”を、総合内科専門医・腎臓専門医の視点で順番に整理しました。ここを起点に、必要なテーマの詳しいページへ進めます。

👨‍⚕️ 総合内科専門医・腎臓専門医が解説 📍 尾張旭市・きたはらやまクリニック

健康診断や受診をきっかけに「糖尿病です」「糖尿病の疑いがあります」と言われると、多くの方が「これからどうなるのだろう」「まず何をすればいいのだろう」と不安になります。このページは、そんな診断された直後の方が最初に着地する“地図”です。あわてて情報を集める前に、まずはやるべきことの全体像と順番を落ち着いて確認してください。各テーマの詳しい解説は、それぞれのページへリンクでご案内します。

📋 このページの3つの要点
  1. 糖尿病は「完治」を目指す病気ではありませんが、適切な治療を続けることで、合併症の発症や進行のリスクを大きく減らすことができます。過度に不安になる必要はありません。
  2. 診断直後にやるべきことには順番があります——受診 → 合併症の現在地の確認 → 目標値 → 治療開始 → 継続。この順で進めれば大丈夫です。
  3. 糖尿病で最も避けたいのは、気づかぬうちに進む合併症、とくに腎臓(将来の透析)です。当院は腎臓専門医の視点から、腎臓を守ることまで見据えて診療します。

糖尿病と診断された方へ

「糖尿病」と聞くと、失明・透析・足の切断といった重い言葉が浮かび、強い不安を感じる方が少なくありません。しかし、それらは血糖が高い状態を長く放置した場合に起こりうる結果であって、診断された全員に必ず起こるものではありません。むしろ、診断がついた「今」は、これからの合併症を防ぐためのいちばん良いスタート地点です。

まず知ってほしいこと

糖尿病は、適切な治療と生活の工夫を続けることで、合併症の発症や進行のリスクを大きく減らすことができる病気です。大切なのは、自己判断で放置しないことと、治療を途中でやめないこと。この2つがとても大切で、必要以上に怖がることはありません。

このページの使い方

このページは、ひとつのテーマを深く掘り下げる記事ではなく、診断直後に必要なことを一望できる目次のようなページです。各セクションでは要点だけを簡潔にまとめ、「もっと詳しく知りたい」テーマには、その都度専門ページへのリンクを用意しています。上から順に読んでいただくだけで、次に何をすべきかがわかる構成になっています。

はじめにお読みください

このページは医療情報の提供を目的とした一般的な解説です。実際の診断・治療方針は、年齢・体質・合併症の有無などによって一人ひとり異なります。ご自身の状態については自己判断せず、必ず医療機関にご相談ください。

そもそも糖尿病とは?(30秒でわかる要点)

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)を細胞に取り込ませるインスリンというホルモンの働きが不足したり効きにくくなったりして、血糖の高い状態が続く病気です。血糖の高さは、その場の「血糖値」と、過去1〜2か月の平均を映す「HbA1c」という2つの数値で確認します。

大きく分けて、生活習慣などが関わる2型糖尿病(成人の大多数)と、インスリンがほとんど出なくなる1型糖尿病があり、治療の進め方が異なります。ここではまず「血糖が高い状態が続く病気で、放置すると全身の血管に負担がかかる」という点だけ押さえていただければ十分です。

🔗 数値や病気そのものを詳しく知りたい方へ

「糖尿病とは何か」をもっと基礎から知りたい方、HbA1cの数字の意味を確認したい方は、下記の専門ページへどうぞ。

糖尿病の基礎知識(総論)病気の成り立ち・原因・分類をやさしく解説 HbA1cとは?基準値・正常値の見方数値の意味と血糖値との違いを専門医が解説 健診でHbA1cが高いと言われたらまだ診断前・健診で指摘された段階の方はこちら

診断された直後の「順路」——何から始める?

診断直後は情報が多く、何から手をつけるべきか迷いがちです。実際にやるべきことは、次の5つのステップに整理できます。まずは全体像をつかみ、あとは各ステップを順番に進めれば大丈夫です。

図:診断されてから治療を続けるまでの「順路」
糖尿病と診断されてから治療を続けるまでの順路 受診、合併症の現在地の確認、治療目標の決定、治療の開始、そして治療を続けて腎臓を守る(透析予防)までの5つのステップを、上から下へ一本の道でつないだ図です。 受診する 内科・糖尿病内科で、検査と治療方針の説明を受ける 合併症の「現在地」を確認する 目・腎臓・神経の状態を、症状がなくても最初にチェック 治療の目標を決める 自分に合ったHbA1cの目標値を主治医と決める 治療を始める 食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせる 続けて腎臓を守る = 透析を防ぐ 定期通院で数値と合併症を確認し続ける(ゴール) 1 2 3 4 5

以下、それぞれのステップを順に見ていきます。

ステップ1:まず医療機関を受診する

診断・治療の第一歩は、医療機関で正確に状態を評価してもらうことです。健診で指摘されただけの段階でも、自己判断で様子を見続けず、早めの受診をおすすめします。

何科を受診すればいい?

糖尿病は、内科・糖尿病内科が窓口です。かかりつけの内科でも対応できますが、合併症の評価や治療の調整までを一貫してみてもらえる医療機関だと安心です。当院は、内科・糖尿病の診療に加えて、腎臓専門医が腎臓の状態まであわせて確認できるのが特徴です。

初診では何をするの?

一般的には、問診・診察のあと、血糖値やHbA1cなどの血液検査を行い、その結果をもとに治療方針を説明します。医療機関によっては採血結果が後日になることもあります。あわてる必要はありませんので、気になる症状や不安は遠慮なく相談してください。

受診の目安に迷ったら

「のどの渇き・尿が増える・体重が減る・疲れやすい」などが続く場合は、早めの受診が安心です。ご自身の症状を確認したい方は、下記のセルフチェックが参考になります。

糖尿病の初期症状セルフチェック受診の目安になる症状をリストで確認 健診でHbA1cが高いと言われたら健診で指摘されてからの動き方をまとめています

ステップ2:合併症の「現在地」を確認する

糖尿病でいちばん大切なのは、血糖の数値そのものよりも、その先にある合併症を防ぐことです。そのためにはまず、「今、体のどこにどれくらい負担が及んでいるか」という現在地を知るところから始めます。合併症は自覚症状が出にくいため、症状がなくても最初に一度チェックしておくことが重要です。

図:糖尿病で注意したい主な合併症の場所(イラスト)
からだの中の脳・目・心臓・腎臓・末梢神経を示した半透明の人体イラスト。腎臓を赤で強調しています。
糖尿病網膜症失明を防ぐ
血管(心臓・脳)心筋梗塞・脳梗塞(大血管症)
糖尿病腎症透析を防ぐ
糖尿病神経障害足を守る

糖尿病では、自覚症状がないまま進む「目・腎臓・神経」の三大合併症を、定期的な検査で確認します。あわせて、心筋梗塞・脳梗塞など太い血管の病気(大血管症)のリスクも高まるため、血圧やコレステロールも一緒に管理していきます。

当院がとくに大切にしていること:腎臓を守る=透析を防ぐ

糖尿病性腎症は、日本で新たに透析を始める方の原因(原疾患)の第1位です(2024年末の統計で37.6%)。腎臓は障害が進むまで自覚症状がほとんど出ないため、早い段階から尿アルブミンとeGFRで腎臓の状態を追い、進行を抑えることがとても重要です。当院は腎臓専門医の視点から、血糖だけでなく腎臓を守り、将来の透析をできる限り遠ざけることまで見据えて診療にあたります。

糖尿病性腎症とは腎臓の合併症の進み方と、早期発見のポイント 腎臓病と糖尿病の関係血糖と腎臓がなぜ深く関わるのかを解説 糖尿病でも透析を防ぐためにできること当院の中心テーマ・準備中

ステップ3:治療の目標(HbA1c目標値)を知る

治療を始めるにあたって、自分にとっての目標を主治医と決めます。血糖コントロールの目標には、平均血糖を映すHbA1cがよく使われます。合併症予防の観点ではHbA1c 7%未満が一つの目安とされますが、これは全員一律ではありません。

目標は、年齢・糖尿病の期間・低血糖の起こしやすさ・他の病気の有無などによって個別に設定されます。とくに高齢の方などでは、下げすぎによる低血糖を避けるため、目標をやや緩やかにしたり下限を設けたりすることもあります。「低ければ低いほど良い」わけではないという点は覚えておいてください。

HbA1cとは?基準値・正常値・目標値の見方目標値の考え方と、数値がずれる場合の注意点

ステップ4:治療を始める——食事・運動・薬の3本柱

糖尿病治療の土台は、食事療法・運動療法・薬物療法の3つです。多くの2型糖尿病では、まず食事療法・運動療法から始め、必要に応じて薬を組み合わせていきます。

ただし、最初から薬物療法が必要な場合もあります

血糖が著しく高い場合、口渇・多尿・体重減少などの症状が強い場合、1型糖尿病が疑われる場合などでは、診断直後から薬物療法やインスリン治療が必要になることがあります。どの治療から始めるかは、検査結果と体の状態をみて主治医が判断します。

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食事療法

極端な制限ではなく、量とバランス、食べる順番などの工夫が中心。無理なく続けられる形を主治医・管理栄養士と探します。

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運動療法

ウォーキングなどの有酸素運動が血糖の改善に役立ちます。強度や可否は体の状態に合わせて相談を。

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薬物療法

飲み薬・注射薬など種類は多く、体質や合併症に合わせて選びます。近年は腎臓や心臓を守る薬も登場しています。

🔗 薬の種類が多くて迷う方へ

糖尿病の薬は種類が多く、名前も似ていて分かりにくいものです。それぞれの薬の特徴や選び方をまとめたガイドページを準備しています。個々の薬の詳しい解説は、そちらから順にご覧いただけるようにする予定です。

糖尿病治療薬まるわかりガイド飲み薬・注射薬の種類と選び方を一望できるまとめページ・準備中

ステップ5:治療を続ける——通院・費用・生活の工夫

糖尿病は、一度の治療で終わるものではなく、長く付き合っていく病気です。定期的に通院して数値と合併症を確認しながら、生活の工夫を続けていきます。ここでは、続けるうえで多くの方が気になる点をまとめます。

通院の頻度

状態が安定していれば、おおむね月に1回程度の通院が一般的です。治療の開始直後や、薬を調整している時期は、もう少し間隔が短くなることもあります。あわせて、合併症のチェック(眼底検査や尿・血液検査など)を定期的に行っていきます。

費用の目安

費用は治療内容によって変わりますが、内服薬での再診であれば3割負担で毎回おおよそ数千円程度が一つの目安です(診察・検査の内容や薬局での薬代により変動します)。インスリンなどの注射を使う場合は、これより高くなる傾向があります。高額になる場合には公的な負担軽減の制度もありますので、心配な場合は医療機関でご相談ください。

※上記は一般的な目安であり、実際の金額を保証するものではありません。正確な費用は受診先の医療機関でご確認ください。

生活の工夫

食事・運動に加えて、禁煙・節酒・十分な睡眠・ストレスをためないといった生活習慣も血糖に影響します。すべてを一度に完璧にする必要はありません。続けられそうなものから、少しずつ取り入れていきましょう。

「寛解(かんかい)」という考え方について

2型糖尿病では、生活習慣の改善や減量によって、薬を使わずに血糖を良好に保てる「寛解」という状態になる場合があることが知られています。ただし、これは「完治」とは異なり、その後も定期的な確認は必要です。寛解を目指せるかどうかは、糖尿病の状態によって異なりますので、主治医とご相談ください。

よくある質問

糖尿病は治りますか?完治しますか?

現在のところ、糖尿病を完全に「完治」させる治療は確立されていません。ただし、適切な治療を続けることで血糖を良好に保ち、合併症を防ぐことは十分に可能です。2型糖尿病では、生活改善などにより薬なしで良好な状態を保てる「寛解」に至る場合もあります。「治らないから意味がない」ということは決してありません。

糖尿病でも、これまでどおりの生活はできますか?

はい、多くの方が、これまでとほぼ変わらない日常生活を送っています。血糖を良好に保ち、合併症を防げていれば、仕事・食事・運動・旅行なども基本的に楽しめます。治療は生活を大きく制限するためのものではなく、これまでの生活を長く続けていくためのものとお考えください。ただし、薬の内容や合併症の状況によって注意点が異なる場合があるため、具体的には主治医にご確認ください。

糖尿病と診断されたら、何科を受診すればいいですか?

内科・糖尿病内科が窓口です。合併症の評価や治療の調整まで一貫してみてもらえる医療機関だと安心です。当院では、糖尿病の診療に加えて、腎臓専門医が腎臓の状態まであわせて確認します。

診断されたら、すぐにインスリン注射になるのですか?

多くの2型糖尿病では、まず食事療法・運動療法から始め、必要に応じて飲み薬などを組み合わせます。ただし、血糖が著しく高い場合や、口渇・多尿・体重減少などの症状が強い場合、1型糖尿病が疑われる場合には、診断直後から薬物療法やインスリン治療が必要になることがあります。治療内容は一人ひとりの状態に合わせて決まりますので、主治医の説明をご確認ください。

治療費は毎回どのくらいかかりますか?

内服薬での再診であれば、3割負担で毎回おおよそ数千円程度が一つの目安です(診察・検査内容や薬代で変動します)。注射療法を行う場合はこれより高くなる傾向があります。負担が大きい場合の公的制度もありますので、詳しくは医療機関にご相談ください。金額はあくまで目安であり、保証するものではありません。

自覚症状がないのですが、放置してはいけませんか?

はい、放置は避けてください。糖尿病は自覚症状がないまま合併症が進むことがあり、症状が出たときにはかなり進行している場合があります。だからこそ、症状がなくても定期的に受診し、数値と合併症を確認し続けることが大切です。

まとめ

糖尿病と診断されても、必要以上に不安になることはありません。大切なのは、自己判断で放置せず、順番にやるべきことを進めることです——まず受診し、合併症の現在地を確認し、自分の目標値を知り、食事・運動を土台に治療を始め、通院を続ける。この流れさえ押さえれば、合併症を防ぎながら、これまでどおりの生活を続けていくことは十分に可能です。とくに、自覚症状なく進む腎臓(将来の透析)を早くから守っていくことが、長い目で見て大きな意味を持ちます。当院では、血糖から腎臓まで一貫して確認できる体制で、診断された直後の不安なお気持ちに寄り添いながら診療にあたります。

糖尿病と診断され、これからのことが不安な方へ

「何から始めればいいか分からない」「腎臓のことまで含めて相談したい」——そうしたご相談を歓迎しています。当院では、総合内科専門医・腎臓専門医が、血糖と腎臓をあわせて確認し、一人ひとりに合った治療をご提案します。

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参考文献

  • 日本糖尿病学会 編・著. 糖尿病治療ガイド2024. 文光堂, 2024.
  • 日本糖尿病学会 編・著. 糖尿病診療ガイドライン2024. 南江堂, 2024.
  • 日本老年医学会・日本糖尿病学会 編・著. 高齢者糖尿病診療ガイドライン2023. 南江堂, 2023.
  • 日本糖尿病学会・日本老年医学会 編・著. 高齢者糖尿病治療ガイド2021. 文光堂, 2021.
  • 日本透析医学会 統計調査委員会. わが国の慢性透析療法の現況(2024年12月31日現在). 日本透析医学会雑誌. 2025;58(12):524-590.
  • 国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 糖尿病情報センター. 「糖尿病ってなに?」「糖尿病とお金のはなし」.
  • Riddle MC, et al. Consensus Report: Definition and Interpretation of Remission in Type 2 Diabetes. Diabetes Care. 2021;44(10):2438-2444.

監修・文責:加藤 彰浩(院長)|腎臓専門医・内科専門医(総合内科専門医)|きたはらやまクリニック(尾張旭市)
公開日:2026年8月/最終更新:2026年8月/本ページの内容は医療情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。掲載している目標値・費用等は一般的な目安であり、自己診断や金額の保証を目的としたものではありません。実際の診断・治療方針・費用については医療機関にご相談ください。掲載内容はガイドライン等の改訂により変更されることがあります。